長野県も自転車保険の加入が義務付けられました

長野県も自転車保険の加入が義務付けられました

自転車に関する法律・条例が制定されました。

自転車活用推進法が、平成28年12月9日に成立し、平成29年5月1日に施行されました。この法律の目的は、「自転車の活用を総合的かつ計画的に推進すること」です。

そして、同法及び長野県自転車の安全で快適な利用に関する条例に基づいて、長野県において、長野県自転車活用推進計画が定められました。

この計画の趣旨としては、自転車は健康長寿を支える健康づくりに資するものであり、恵み豊かな地球環境を守るための環境負荷が少ないモビリティであり、さらには、自転車による観光振興は、長野県を観光県として発展させていく上で重要であるので、交通安全教育の充実や万が一の事故に備えた自転車損害賠償保険等の加入義務化等を進めながら、長野県の特長を伸ばす自転車の利用促進を図っていくということの様です。

自転車との上手な付き合い方
ーー交通ルールを守ろう

こうした状況を踏まえ、今回、安全に自転車に乗るために必要なことを、特に自転車保険加入の話を中心にお届けしたいと思います。

私事ですが、わたしは自転車を愛用したいと思い、40歳を過ぎた平成23年頃にクロスバイクを中古で購入したのですが、その後身体を壊してしまい思ったほどには活用出来ていません。

さて、話を戻して、安全に自転車に乗るために必要なことについてですが、一つ目は法律やマナー等のルールを守ること。

そして二つ目はメンテナンスをしっかりすること。最後三つ目は保険に入ることでしょうか。まず一つ目のルールを守ることについてですが、これには、2007年7月10日に警察庁

交通対策本部で決定された『自転車安全利用五則』というものがあります。すなわち、
1自転車は車道が原則、歩道は例外のみ通行可
2車道は左側を通行
3歩道は歩行者優先で、車道寄りを徐行
4安全ルールを守る
5子どもはヘルメットを着用というものです。

最低限これらのルールを守ることは大事なことだと思います。詳細は割愛しますが、ご興味のある方はググってみて下さい。

自転車との上手な付き合い方
ーー定期メンテナンスの習慣を

次に、二つ目のメンテナンスをしっかりすることについてですが、2013年12月に「自転車の安全利用促進委員会」によって行われた、整備されている自転車と整備されていない自転車の性能比較テストによると、ブレーキをかけてから停止するまでの距離の比較テストで、初速度によっても違いはありますが、整備されていない自転車の方が停止するまでに1.5メートルから3メートル程余計に距離がかかってしまうという結果が出ています。

このことからも、日ごろの愛車のメンテナンスが非常に大切だということが分かります。その他の性能比較テストについては、「自転車の安全利用促進委員会」のHPをご参照下

さい。さて、上記のような交通ルールを守り、メンテナンスをしっかりとしていても、事故を起こしてしまったり、事故に遭ってしまうこともあるでしょう。公益財団法人交通事故総合分析センターの資料によると、平成29年度のデータになりますが、年間の自転車事故件数は9万3千件くらいあり、これは全交通事故のおよそ20%を占めているようです。

そして、加害者になってしまった場合、裁判の結果、損害賠償額が数千万円に及ぶこともあるようです。

なお、長野県に限っていうと、平成30年中に発生した自転車事故は834件であり、全人身事故件数のおよそ12%を占めているようです。

このように、県内で公に把握されているものを考えただけでも、1日に2件は自転車事故が発生しているので、明日は我が身ということにもなりかねません。

自転車との上手な付き合い方
ーーもしものための自転車保険

そこで、最後に保険のススメです。

長野県の場合、長野県自転車の安全で快適な利用に関する条例第14条で自転車運転者に自転車損害賠償保険等への加入が義務付けられました。(但し、罰則はありません。)

ここでいう自転車損害賠償保険等とは、自転車の運転により生じた他人の生命又は身体の損害を填補するための保険又は共済をいいます。

要するに、対人賠償が担保されるものに加入する必要があるということですね。

なお、自転車事故による損害を補償する保険等の種類や概要の一覧が、長野県のHPにまとまっています。アドレスは、https://www.pref.nagano.lg.jp/kurashi-shohi/anzen/201903hokenkanyu.html
になります。

さて、気になる保険料や掛金ですが、傷害保険などに特約で付帯する自転車損害賠償保険の保険料や掛金は、主たる保険と合わせて月3,000円~5,000円くらいが相場のようです(特約部分の相場は月100円~500円くらいです)。

また、自転車での事故に特化した保険としては、一般財団法人全日本交通安全協会のサイクル安心保険というものもあり、こちらは賠償責任だけでなく本人のけがの補償までしてくれるタイプで、掛金は月200円くらいです。

そして、保険金額すなわち保険金で補償される限度額は、1億円~無制限のものまで様々です。

また、保険商品によっては満期返戻金があり、保険金額の半分ほどが返ってくる商品もあります。

いかがでしたでしょうか。以上の記事が皆様の安全な自転車ライフに少しでも役立つことを願っております。

この記事を書いた行政書士
行政書士城田浩靖

城田行政書士事務所代表
https://www.shirota-office.com/

事務局
TEL 0268-25-8720